スリランカで妊娠生活を送る4つのマイナス点 

前回、スリランカで妊娠生活を送る中での
良い点をまとめてみましたが
今回はスリランカのほうが
マイナスになると思った点をまとめてみました。
スリランカで妊娠生活を送る中でスリランカのほうがマイナスになると思った点
・妊娠時に必要な栄養が取りにくくなる。

スリランカに帰国してドクターの検診を受けたとき
まず何よりも先に聞かれたのが
「スリランカの生活で食べているのは
スリランカ食か、日本食か」

でした。
日本食であれば生魚を食べたり
わかめや海藻類など
妊婦が必要になる栄養を食事からも
摂取することができるのに対して、
スリランカではしっかりと煮て調理したカレーが多く
日本の食事よりも
妊婦が必要とする栄養分が
摂取しにくくなるため
スリランカ食を食べているのであれば
薬で栄養補給をするのがおススメ
と言われました。
自分で食事から栄養分を摂取できるようであれば
薬は飲む必要はないけれど、
処方箋がないと薬は買えないため、
それを書くかどうするかを尋ねられたのですが、
結局それは摂取しすぎた分は
排出されるだけのことで
特に体に影響はない
ということだったので
私も薬を処方してもらうことにしました。
薬を飲まずに食事から摂取することは
日本でも貧血になってしまったり
なかなか大変なので、
薬を飲むことが気にならないのであれば
気楽に過ごせることになるのかもしれません。
ちなみに薬は1日3回に分けて飲むもので
カルシウム、ビタミン、鉄分などの薬3種類でしたが、
私が処方された薬はそれと一緒に
葉酸が混ぜてある薬でした。
スリランカでは子供が欲しいと望む女性は
妊娠前から葉酸の薬を飲み始め、
妊娠中もその薬はずっと飲み続けるため
葉酸の薬は別に飲まなくて良いのかを確認しましたが
すでに処方されている薬に含まれているため
別に飲むことは必要ないということでした。
日本だと妊娠中は血液検査などをして
足りなかった場合にのみ薬が処方されるようですが
スリランカでは妊婦さんは薬を飲んで
足りない栄養分を補給していくことになるのが
大きな違いです。
・アーユルヴェーダで食べられるもの、食べられないものが制限される

これはアーユルヴェーダが良くないという話ではなく、
アーユルヴェーダにもいろいろあって、
迷信のような・・・
都市伝説のようなアーユルヴェーダに
迷わされることがあります。
特にスリランカで妊娠しているということは
スリランカ人男性と
結婚している可能性が高いわけですが
そのスリランカ人夫の家族や
スリランカ人の友人から
食べていいものといけないものを
あれこれ言われて食べたいものが食べられない!
ということになってしまう可能性があります。
私の場合、担当のドクターに聞いたところ
「わかるよ。笑
アーユルヴェーダだからとか、
周りからいろんなことを言われるんでしょう。
でもそんなことをしてあれが食べられない、
これが食べられないとやっていたら、
そもそも栄養が足りていないスリランカの食事なのに
もっと栄養分が足りなくなってしまうよ。
食べ過ぎることはよくないけれど
食べたいものを自分の食べられるだけ食べて
体力をつけなさい。
食事についてこの時期食べていけないものは
ないんだからね。」

そう笑って言われました。
それでも不安な家族からは
アーユルヴェーダでは熱い食べ物だから、
冷たい食べ物だから、
あれはいい、これはダメ、
そういうことを言われました。
スリランカではアーユルヴェーダというのは
良くも悪くも人々の生活の中で
大きな部分を占めている古来からの医学。
でも、時にはうわさや言い伝えから発生して
アーユルヴェーダとつなげられ
もっともらしい理由をつけられて
食べてはいけないと思われてしまっている物もあります。
もし本当に食べたいのに家族に止められる場合には
ドクターに本当に食べてはいけないのか、
根拠はあるのかを聞いてみるのがいいのかもしれません。
私が受診していたドクターは
スリランカで考えられているアーユルヴェーダのこと、
海外での妊娠・出産についても良く知っていたので
薬や食べ物についてどうして食べてはいけないと
言われるようになったのか、
反対にどうして処方された薬を摂取しなくては
いけないと考えられるようになったのか
そういうことも世界の事例も含めて
事細かく丁寧に説明してくれました。
国営の病院ではなかなかそういうことにも
丁寧に答えてもらえない場合もあるのかもしれませんが
食べ物も妊娠時期の過ごし方も
日本のようにはいかないので
何でも聞いてみるのがいいと思います。
・赤ちゃんのスキャンが出産までの間に3回しかない

スリランカでは赤ちゃんの様子を
触診で見てもらうだけのことがほとんどです。
10か月の妊娠期間のうちで
赤ちゃんに問題がなければスキャンをするのは3回だけ。
その他の検診時にはドクターがお腹を手で触って
計算している妊娠周期と
赤ちゃんの大きさが合っているか、
順調に大きくなっているかを確認してくれます。
(*お母さんと赤ちゃんの具合等によっては
毎回スキャンする場合もあります。)
私のかかっていたドクターは触診だけで
何周期目かを判断して
大きくなってくると赤ちゃんの頭の位置、
足の位置なども教えてくれました。
スキャンで赤ちゃんに会える回数は
日本よりも少なくなりますし、
妊娠中期の2回目、後期の3回目で
性別がわからなかった場合、
出産するまで男の子か女の子か
わからないままになることもあります。
・妊娠中の検診費用・出産費用は自己負担になる。
当然ですが、日本では妊娠すると国から補助券がもらえて
決まった回数までは検診補助が受けられる上、
出産すると出産育児一時金ももらえます。
でもスリランカには当然それはありません。
国立病院で出産すれば基本的に
お金はかかりませんが
私立の病院で出産すると
当然出産費用がかかります。
私は結果的には出産は日本だったわけですが
病院や友人等に確認したところ、
私のいたスリランカの病院で
自然分娩で出産して普通に退院した場合、
出産の費用は15万ルピーほどで
退院まで行けるのではないか。
ということでした。
それと共に毎月1回程度の検診のための受診料、
血液検査代、スキャン代等
その都度お金がかかってきます。
スリランカではドクターによって診察料が変わるため
一概にいくらとは言えませんが
私がかかっていたドクターは2000ルピー程度。
血液検査も2000〜3000ルピーほど、
スキャン代は4000〜6000ルピーと
検査内容に応じて変わりました。
その他に破傷風の注射をしたり、
その都度先生から勧められた検査等をするので
単純に出産に関わった費用の出費
(自分が負担することになった金額)として考えると
日本は出産費用は高くても
出産費用一時金が受け取れることを考えると
ざっくり考えてスリランカのほうが高くなるのかな?
という感じでした。
*住民票が日本に残っていれば
出産費用一時金がもらえる可能性もあるようですが
これ[[pict:up]]は完全にスリランカ移住をした場合です。

今回は日本から比べると不便な点としてあげてみましたが
ただこれも考え方によっては良い点になることもあります。
私は栄養を補う薬を飲むことによって
貧血知らずで過ごすことができましたし
スキャンが少ないことも少ないから
赤ちゃんに会えるのが楽しみになるし、
ドクターの触診についても
その時期の赤ちゃんの様子や
頭や足の場所の探し方を教えてもらえて
楽しい妊娠生活でした。
人によってはマイナスになるかな?
と思いますが、それも考え方と
自分の気持ち次第なのかもしれません。
・最後に良い点・悪い点ではないですが・・・
妊娠期間はお母さんとしての自覚と責任を養う時間

妊婦としての出産を控える母として
これから子供の母になる
という自覚と責任を持つように
ということも含めてなのか、
ドクターとの会話は基本的に
私とのコミュニケーションでした。
当然、毎回の検診には夫も同席していたのですが、
夫が質問してもドクターが返事をする時に
話しかけるのは私に対して。
わからないこと、緊急で知りたいこと、
困ったことがあった時のために
ドクターは24時間手放すことのない
自分の携帯電話の番号も教えてくれるのですが、
何か知りたいことがあったときには
普段の検診時の様子も考えて
電話したのは
夫からではなく私からでした。
結局、それはこれから出産をする
お母さんとして
たとえ自分の生まれた国でなく、
母語が通じないとしても
赤ちゃんを産む瞬間、
がんばらなくてはいけないのはお母さん本人である。
その自覚と責任を先生に教えられた
妊娠期間だった気がします。
スリランカで赤ちゃんを出産する日本人は
結婚する人が増えていけば
当然これからも増えていくと思いますが、
その時に
「言葉がわからないから」
と旦那さんや家族が来るのを待っていたら
いざという時に子供が守れないかもしれない。
もちろん、子供を守るだけではなくて
日々の生活も自分の足でしっかりと、
守ってもらえるのを待っているのではなく
何かがあったときには
ためらうことなく自分で伝えられる
判断と決断ができる母親としての自覚を
赤ちゃんに出会うまでに
持っておくことを教えられたような時間でした。
スリランカの女性は、
結婚して出産すると
急にたくましくなった感じになります。
それは妊娠の10ヶ月間を通して
これまでお母さんの陰にいれば良かった
女の子の立場から
お母さんになって子供を守る立場へ
変わることによるものなのかもしれないですね。

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