水牛事件

昨日の夜深夜、外で牛の声がしたと思ったら道路で声がしてターッタが起きていった物音が聞こえた。
どうしたのかな〜?と思ったら大きな声で男の人があっちに行ったりこっちに行ったり道路をうろうろしている声。
どうも牛が逃げたとか、綱がいるとか・・・
しばらくしてターッタも帰ってきたので私もそのまま寝ちゃったんだけど、今朝アンマーに事情を聞いてみたところ・・・
Keiko:「ねえ、昨日の夜なんかあった?牛がどうのって・・・」
アンマー:「ああ、あれSアッカの家の水牛がウチの田んぼに入りこんでね。」

(*Sアッカ=先日結婚式をして嫁いでいったお姉さん
結婚式の様子は2014年5月29日参照
ホームカミングの様子は2014年6月1日参照
Keiko:「ええ!なんで?Sアッカの家そんなに近くないよね?」
(Sアッカの家=車で5分ちょっとくらいかな?)
アンマー:「あそこの家に1頭だけ水牛がいて、レンガを作る時の土をこねるのに使っているんだけど・・・
昨日の夜水牛を追いかけてきたのは酔っ払いで、昨日の夜飲みながらレンガを作ってるうちに何を思ったのか、
『この水牛、レンガを踏ませるだけじゃもったいない。』
って考えたらしいのよね。
酔っぱらった人のやることなんてそんなモンよね。
で、水牛をお肉屋さんに売ったらお金になると思って綱を切ったら水牛が急に走り出してウチの田んぼまで来ちゃったんだって。
水牛もなに考えてんのかしら。嫁ぎ先の牛が一直線によりにもよってウチの田んぼに入るなんてねw
酔っぱらってる人も自分の水牛でもないのにねぇ。
牛のやることってそんなモンよね。
夜になるとな〜んかやり始めるんだから。
こっちはオチオチ寝てランないわよ。」

水牛って通常牛よりもおっとりしていて走ることって本当に少ない。
でもとりあえず酔っ払いが追いかけられないくらいの速度で走って田んぼに逃げ込んでしまったらしい。
ちなみに田舎の家の田んぼは別に山の谷間の小さな隙間に1つだけあるわけではなくて家の前に広がるいくつもの田んぼの区画の1つが田舎の家の田んぼ。
どうしてよりにもよって田舎の家の田んぼに逃げ込んだのか、周りには同じようにたくさん他の家の田んぼがあるのに良くわからないらしい。
確かにこの家って不思議な事が時々起こるけど、今回の水牛も何を考えて走ってきたんだか。
でも1つ言えるのは・・・
田舎の家の田んぼが少々荒らされちゃったとしても、
お肉屋さんに売られちゃったりしなくて良かったよね。

ってこと。
この家でも以前お腹に子牛がいた牛が盗まれたことがあったらしい。
道に点々と続いていた牛の足跡と落ちている糞の跡から隣村まで徒歩で連れて行かれた事はわかったけど、その後の足取りはどれだけ探してもわからなかったという。
盗む理由は1つだけ。
お腹に子牛がいるのにそれでもそれを殺して売ろうとする人もいる。
盗まれたのがちょうど内戦の終わった日で、世間は内戦終結に大喜びだったけどこの家の家族はそれどころじゃなかったらしい。
でもその時に
「スリランカ国内、お肉屋さんで売られている牛のいくらかはウチの牛のように盗まれて殺された牛なんだろう。」
って思い知ったという。
そしてこの家では牛を食べるたび盗まれた牛の事を思い出し、その牛を食べているんじゃないかという思いから牛を食べるのを止めた。
今でも新聞には牛を泥棒した人の話が載る事もあるけど、小さなトラックの後ろのコンテナを開けたら盗まれて殺された牛が4頭も詰め込まれていた。
というようなびっくりする話もある。
牛をかわいがる人たちと、それをお金が得られる食肉として盗みを働く人たち。
今回の酔っ払いはお酒の勢いでそう考えてしまっただけで常習的な人ではなかったけどそれでもお金が欲しいと思った時の人の取る行動は本当にわからない。
だからこそ、念には念を入れて気を付けないといけない。
世の中にはいろんな人がいるから。

そんなことを考えた水牛事件でした[[pict:tulip]]

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