スリランカ キャンディ時代の結婚

さてさて、最後の試験勉強。
今回の範囲は
スリランカの文化と芸術について
その中で答える予定の一つがキャンディ時代のウィワーハヤ(結婚)について。
スリランカの結婚、恋愛[[pict:symbol1]]については興味のある人も多いと思いますが、これはあくまでスリランカでもキャンディ時代の結婚についてなので・・・念のため。[[pict:exclamation]]

スリランカで昔から行われてきた結婚の形式はいくつかあるけど、それらの方法は収入を安定させるために考えられてきたものである[[pict:money]]と言われている。
まず日本と同じく結婚して旦那さんの家に入るウィワーハヤ。
結婚する花嫁側の代表となる花嫁の父親が結婚したのち息子となる男性が適しているかを見極める判断となるのはやっぱり十分な収入があるか。
キャンディ時代の場合は生活の中でも重要なのが農業であったため、田んぼや畑の仕事ができないような男性が結婚相手を探そうとすると周囲から笑われたという。
要するに小さいころから田畑に親しみ、一人で田んぼ仕事や畑の仕事ができるようになったら結婚もできる。そう考えられるほどに農作業は重要で、それができるなら収入がある(収入が得られる)と考えられていたのかもしれない。
そして結婚の種類としてビンナ ウィワーハヤという方法もあった。
それが一人の女性だけがいる家に男性を婿にもらうこと。ただ、この方法では男性は家と妻を得ることができるものの法的な家の持ち主にはなれない。
家には男性の役目としてやはり生活をするだけの食べ物を十分に用意しなくてはならず、それができないなら妻には夫を家から追い出す権利があった。
この方法の場合、どうしても奥さんの下で働くような状態になるため、この結婚は笑われる対象となり、男性はあまり好まなかったという。
そしてスリランカの結婚について一番特徴的なのがサマンギ ウィワーハ クラマヤという結婚方法
何人かの旦那さんが何人かの奥さんと一緒に生活するという結婚。
この結婚はこの後、エカゲイ キャーマという名前で呼ばれるようになる。
このエカゲイ キャーマという結婚は2人から最高で7人までの男性が一人の女性を妻として一緒に生活するという一見不思議な状態。
この結婚方法が行われるようになった背景には家族の持っている土地や牛などの財産を相続によって細かく分けないようにするためという理由があった。
要するにこの結婚はどこかから男性が一人、二人と集まって生活するのではなく、兄弟など同じ一族の男性が1人の奥さんを得ることによって相続の細分化を防ぐ。
この方法が行われた背景には当時女性が少なかったこと、国外からの侵略に対抗するための戦や国からの仕事をするため家を空けるようなことになっても他の男性が女性を守ることによって家の防犯も守られるということだったのだとか。
確かに男の子が3人、4人といると相続を分けなくてはいけなくなるけど、それが一人の奥さんで一緒にいるのであれば継いでいくのは一人の奥さんから生まれた子供だけ。
更に誰の子供を産んでも子供の出生届は第一夫人ならぬ第一主人である男性にされるとも聞いた。
現在のスリランカは少し前までの内戦があったからという理由だけでなく、出生率も男の子よりも女の子のほうがずっと多くて人口で見ても半分以上が女性になっているらしいけど(女性5人に対して男性が1人の割合なんて言われることも。)、キャンディ時代には男性のほうが多かったみたい。
ホント、今のスリランカ見てても考えられない逆転状態。
そのために数少ない女性とより多くの男性が結婚するためという理由もあったからこそ行われていたということ。
旦那さんがたくさんいると奥さんに嫉妬したりはしないの??なんて考えちゃうかもしれないけど、これができる奥さんにはその器量度量も必要で、女性としてもしっかりしていないとできなかった特別な方法。
更に家に収入をもたらす男性が多いことから余裕のある生活ができるし、これができる家はむしろうらやましがられることもあったみたい。
実はこの方法はまだ最近まで行われていた家もあって、「3代くらい前はエカゲイ キャーマの家だったの。」という話を実際に聞くこともある。
世界的に見ても男性一人に女性複数ではなく女性一人に男性複数という結婚形式は少ないと聞いたこともあるけど、そりゃそうでしょう。
でも、行われるにはちゃんと理由があり、その理由がわかると納得できる。
言葉だけ聞いたら確かにびっくりすると思うけど理由もなく人々が習慣を変えることはやっぱりなかなかない。
実は私も数年前にエカゲイ キャーマという結婚方法があることを聞いた時「めちゃくちゃだ〜!!」と思ったけど、今回詳しい内容がわかって納得できたし、やっぱりスリランカの人たちの発想って柔軟ですごいな!って感動[[pict:kirakira2]]した。
ところでこれらの結婚にはもちろんスリランカのクラヤ(カースト)が関わってくるんだけど・・・。
それは別にスリランカのクラヤについて書く予定なので今日のスリランカの結婚については簡単にこの辺りで。

タイトルとURLをコピーしました